「蒸籠の板と似たもの花瓶」
餅を搗くためにもち米を蒸したり、大量の「おこわ」を蒸かすなどに用いられていた業務用の蒸篭と思われます。
板の角が円くなり、焦げた様な茶色は、長年使われたことを物語っています。
このような佇まいの蒸篭の板に、ピッタリの花瓶がみつかりました。
釉薬の色も蒸篭の板に似ていますし、真ん中の四角の穴は、やや小さめですが蒸篭の板にもくっきりと空いています。
用途も製造意図も、まったく違った二つの品々が,花を飾るという役目を担ってともに花を受け入れる。造化の妙というよりも、出会いの妙とでもいうべき取り合わせになりました。