竹の持つ機能をすべて使った農具 篩(ふるい)
竹は日本人にとってなくてはならない身近な素材でした。
採りたての竹は、柔らかく加工もしやすいが、乾けば、しなやかで軽くてしかも丈夫。少しぐらい濡れても機能には全く影響しない事から、籠 ザル 竿 杖 茅葺の屋根の補強 土壁の基礎とあらゆるところで使われました。
この篩は、竹の強みのすべてを利用して、細密に、丈夫に、そして、美しく仕上げられています。
その造りの丁寧さから、田植えの前の種籾の選別に使われたのではないかと思われます。種籾の選別という、農家にとって一番大事な作業を担う篩(ふるい)を、人々は豊作への願いを込めて編み上げたに違いありません。