古い「おしぼり置き」と「楊枝入れ」
「おしぼり置き」は古いといっても未使用品。売れ残り在庫品でした。たまたま、別のお店で同じように不良在庫となっていた「楊枝入れ」を入手。二つを合わせると、まるで最初からセットで販売していたかのようです。しかもこの二つ、竹の肌の見せ方が、まるで同じ人が作ったようです。そこで「おしぼり置き」は壁にかけて、「楊枝入れ」はそこに載せて、小さな野辺の花を活ける為の花入れにしてみました。
ところで、「今は昔」の昭和時代。お客様におしぼりをお出しすることは、お店であれ家庭であれ、「おもてなし」の基本でした。その後ほどなくして、使い捨ておしぼりが登場すると、このような形の「おしぼり置き」を目にすることはなくなります。そして同じ運命を辿ったのが「楊枝入れ」です。現代の飲食店ではほとんど見かけません。
二つは、いわば時代の進歩から取り残された似たもの同士。共に花を飾るという新しい役目を担ってもらいます。