「古い 篩(ふるい)」
篩(ふるい)とは、穀類などを大きさによって選別する道具の総称です。これはたぶん、種籾の選別に使われた篩ではないかと思われます。
理由は、目と呼ばれる隙間の大きさが、籾の大きさに近い事と、農作業の道具としては、丁寧に、精密に作られているからです。
農家にとっては最も重要な作物のコメの籾を選別する、という農家の真剣さが伝わってきます。
しかし、農業は日々進化をしています。むかし手間暇かけて作られたこの篩も今では使われることもなくなり、忘れ去られた日々をおくっています。
そこで、この篩に「ひと花」咲かせる意味で、鶴首(つるくび)と呼ばれる「花を入れ」を合わせてみました。
鶴首はまた(かくしゅ)とも呼ばれ、「首を長くして何かを待ち望む状況」も意味します。
忘れられゆく篩にとって、花入れとの出会いはまさに鶴首(かくしゅ)だったのではないでしょうか。