「紅葉のアカマンマと水屋の引き戸」
通称のアカマンマは、幼児が「ままごと」をするときに、このイヌタデの赤い実をお赤飯に見立てたことからこう呼ばれるようになったといいます。
11月になって山々の木々が紅葉の時期を迎えましたが、小さなアカマンマも紅葉するだけでなく、その枝も赤くうっすらと色づいてきました。
アカマンマは一年草ですから、これが今年の最後の姿。そこで根から掘り起こして土を落とし花瓶に収めました。背景には使い古された水屋の引き戸を立てて使っています。
引き戸についていた丸い「引き手」が花瓶の横に見え隠れしていますが、引き戸の周囲の黒い縁と呼応して、独特の納まりをみせてくれました。
いわば「赤と黒」の対比でしょうか。 赤と黒といえば スタンダールの「赤と黒を思いだします。赤は軍服 黒は僧服を意味して 主人公のジュリアン・ソレルが身を置いた二つの世界を現すと聞いていますが、ここでは、引き戸の黒の縁がアカマンマの最後の赤を引き立ててくれたように思えます。