「水嚢・スイノウ」
水嚢とは、一言でいえば「把手付きのザル」。大鍋などから山菜などを大量に掬い上げる時に使われたいわば農家の必需品です。なぜ「すいのう」と呼ばれたのかはわかりませんが、これに「水嚢」という字をあてはめてみると、柔らかなフォルムは皮の袋が水でいっぱいになっている感じをよく表現していると思われます。水嚢に決まった形がありませんが、水の中から掬い上げるザルの機能を持たせると、日本中地域の差はあれ、どれも似たような形になってしまうようです。
道具として、長年使い込まれた色合いや艶が魅力の水嚢ですが、これに花を活けるのは至難の業です。
そこで蔓系の代表としてカラスウリに登場してもらいました。
梅雨が明けたころから夕暮れと共に。まるでレースを広げたような真っ白な花を咲かせ、雄花はニ日程度、雌花は一夜でしぼんでしまいます。