「眼鏡入れ」と「キセル入れ」
筏(いかだ)状に編んだ黒竹を背景に、左には「眼鏡れ」右には「煙管(きせる)入れ」を掛けました。左の「眼鏡入れ」は竹だけでなく籐(とう)も混ぜて編み上げたものです。右の「煙管入れ」は、風情も色も違う竹を細く切りって張り付けてあります。
竹を使った道具というと、ザルやカゴなどの日用品を思い浮かべますが、竹はこのような繊細な眼鏡や煙管などの入れ物、つまりケースとして広く使われていました。
竹で作られたケースは軽くて丈夫というだけでなく使い込むほど輝きが増してきます。 道具を使う人にとってはうれしいこの特徴が、多くの人に愛された理由だと思います。
この二つのケースの背後には、黒竹を筏(いかだ)状に編んだ、通称竹筏(たけいかだ)を並べました。
黒竹は文字通り竹の幹が黒く、「眼鏡入れ」や「煙管入れ」と同様、使い込めば使い込むほど黒光りしてきます。 竹の、しなやかで、強くて、輝くという三つの特徴を持った「眼鏡入れ」「煙管入れ」そして「竹筏」のトリオが 花を待ちます
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キセルとは。 江戸時代から広まった喫煙道具です。キセル入れと、刻みたばこを入れる煙草入れをセットにして、男性が自分の好みを主張する日本の「粋」な文化を象徴する道具の一つと言えます。