「文箱と水滴」文房四宝から漏れたもの

2023-11-30

 

「文房」とは中国語で書斎のこと。その文房で使われる 筆、硯(すずり)、墨、紙の四つが「文房四宝」と呼ばれます。
しかし、文房の中には文房四宝以外にも、必要な道具があります。
その一つが、「文箱=ふばこ」です。竹で編んだ箱ですから軽くてしかも丈夫。未使用の和紙や手紙などを保管する為の道具でした。
その文箱の中で、ひっそりと佇んでいる器は、硯に注ぐ水の量を微妙に調整できる「水滴(すいてき)」と呼ばれる道具です。
それなのに、文箱も水滴も「文房四宝」ではありません。いわば。文房四宝の外れモノ。拗ねてるわけではありませんが、外れたモノ同士で花を待ちます。

江戸時代 文書用の紙は美濃紙と呼ばれ現在のB4サイズ。これを二つ折にして綴じますから、おおよそB5の大きさになります。日本の公文書が、つい最近までB5判に統一されていたのは、これが理由です

 

 

 

Posted by 井村一洲