「馬追いの 髭のそよろに 来る秋は・・・」
秋の虫が集(すだ)く風情は、都会ではもはや味わえなくなりました。と言って、わざわざ虫籠を買って鈴虫や馬追いなどを飼うという趣味にまでは、発展させにくい感じもあります。
そこで以前、骨董市で求めた虫籠を取り出して、これを「花入れ」にしてみました。虫籠につつまれているためか、中に置く花入れにはさほどの条件はありません。
一方、虫籠は細い「竹ひご」で連続する、曲線の四角を造り出し、まるで「紗(しゃ)」で覆ったような雰囲気を醸し出します。
花入れの真上には、虫を出し入れする窓。この窓を開けて秋の花を挿し、虫の声以外の秋の風情を感じてみたいとおもいます。